トレンドは無理に取り入れない。自分のスタイルに似合うものを【スタイリストのマイルール#2】
今回は、スタイリストとして活躍するカドワキジュン子さんの「ファッション」についてお尋ねしました。好きなアイテムだけを着ていた20代を経て、30代は「色を楽しむ」ことを取り入れていると言うカドワキさん。今のスタイルに行き着いたきっかけも含めてご紹介します。
■30代は「色を添えて楽しむ」スタイリングに
カドワキジュン子さん。月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』では、主演女優さんのコーディネートにも関わっている。
――カドワキさんのコーディネートのポイントを教えてください。
コーディネートに「色を添える」ことが好きですね。ベーシックカラーに明るい色を合わせて華やかにしたり、またモノトーンのコーデに小物で赤・ピンク・オレンジなどの元気色をポイントに取り入れたり。
20代は古着や80’sの派手柄のほか、黒しか着なかった時期など、自分が気に入ったものだけを身につけていました。でもそこには自分のスタイリングにおいて、何か筋は通ってなかったですね。
自分のスタイリングに「色を添える」ようになったのは、30代になってパーソナルカラーを勉強したからなんです。
肌の色によって似合う色が異なることを知ってから、色のバランスをより意識するようになりました。色によってどう見えているかを認識しながら、トップスの色を考えたりします。今では、あえて「自分に似合わない色」もトライしていますよ! 自分の気分が色に反映されるからこそ、うまくコーディネートに取り入れて楽しんでいます。
ベーシックカラーはコーディネートしやすいですし、選びがちですよね。そこにぜひ色をプラスしてみても楽しいかもしれません。色を取り入れることに抵抗があるなら、顔まわりを避けてボトムスをはじめ、スカーフ・バッグといった小物で取り入れてみることをおすすめします。
気持ちが上がって、色の持つパワーもかりることができますよ。
仕事のリースで各ブランドを訪れるときも、色のアイテムは先にチェックするそう。(カドワキジュン子さん提供)
■大ぶりのピアスはマスト
――スタイリングでこれだけは外せないアイテムはありますか。
大きめの「イヤリングやピアス」ですね。これも30代に入ってからなんです。
20代は若いと肌もパンとした張りがあって、そこに突き進む姿勢が感じられて、ジュエリーを身につけなくても十分キレイですよね。でも年を重ねると、顔まわりがぼやけてきたなと感じて、身に付けるようになりました(笑)。
それと、メイクを濃くするタイプではないので、あえてピアスをつけて華やぎをプラスしています。
自分にとっては「今日もよろしく頼むよ」といった、お守りジュエリーなぐらい大切ですね。慌てて家を出た朝に、身につけるのを忘れて、一日中ソワソワすることも!
大ぶりのものから揺れるタイプまで幅広く持っていますが、すべてに共通していることは、「インパクト」があるもの。アクサセリーと顔のバランスで、小顔効果も期待できますよ。
夏のシーズンは、ウッディ系なナチュラルタイプが多め。(カドワキジュン子さん提供)
■トレンドは追いすぎないこと
――ファッションのトレンドはどのように取り入れたらいいですか。
30代から40代にかけて歳を重ねている人はある程度、自分のスタイルを確立していると思います。ときには迷うこともあるけれど、「自分の好き」なコーディネートやアイテムはあるはず。
そこであえてトレンドを取り入れることに、奮闘はしなくていいのかなと思います。新しいアイテムにトライすることはもちろん素敵ですが、「トレンドだけど自分に似合うのかな」と感じたら無理に取り入れなくて大丈夫です。
例えば、スポーツスニーカーが流行っていますが「カジュアルすぎるな」と思ったら、ファッションブランドのキレイめなスニーカーにシフトすればいい。自分が背伸びをせずに、ワードローブにプラスできるものかどうかを基準にしてみてください。
もちろんワードローブをひっくり返したいときもありますよね。断捨離したい衝動や、ライフスタイルの転換期など、自分の人生とともにファッションの見直し時期は、必ずやってきます。それは、トレンドで見直すのではなく自分と向き合った先にあれば、とても必要なことではないでしょうか。
取材・Text/岡田レナ
Photo/小林航平
カドワキジュン子さんプロフィール
スタイリスト・押田比呂美氏に師事。雑誌をはじめ広告・ドラマと幅広く活躍。最近では、月9ドラマ「コンフィデンスマンJP」でスタイリングに携わる。趣味は舞台鑑賞やアートめぐりで、常に「空間を彩る」ことに興味を持つ。清潔感がありながらコンサバテイストの上品なスタイリングが得意。
いろいろな顔を持つ女性たちへ。人の多面性を大切にするウェブメディア「DRESS」公式アカウントです。インタビューや対談を配信。