私がながら美容をしない理由
私が主催しているサロン「fleur de fleur」は、輝く女性のためのお稽古サロンとして、様々なレッスンをご提供しています。
先日サロンにて、1月に発売した新著『ふつうに過ごすだけでキラキラ変身していく』のスペシャルビューティーレッスンを行いました。
書籍をテキストにビューティーレッスンを行い、いつもの通り事前に質問を募り、質疑応答のお時間も設けたのです。
そちらに多く寄せられて意外だった質問は、「落ち込んだときにどのように気持ちを戻していますか?」というもの。なぜ意外だったかというと、サロンに集まっている女性たちは皆とても柔らかく、明るく、朗らかで、ほとんどの質問が“気の沈み”に対するものになるとは思っていなかったからです。
著書は、美容が入り口になっていますが、“感覚に敏感になることで、常に自分自身で選択することができれば、ぐっと生きやすくなる”というメッセージを込めています。
うっとりの時間を持つこと、心地よい空間を作ること、自分の好きをとことん追求すること。など、気持ち(自分の軸)にフォーカスする内容でしたので、(ではそれができなくなってしまうときはどうすれば?)という疑問が皆さんの内側から出てきたのだと思います。
■何を選んで、何を選ばなかったか
そこで私がお答えしたことは、「心を目の前に置く」ということ。
著書の“うっとりリスト”の中に、すこし目立つように手書きで書いたことです。
落ち込むとき、というのは、落ち込むことに考えを集中させているとき、です。
私たちは、器用に何かをしながら違うことを考えることができます。
たとえば、移動中にメールチェックをして、お仕事に関する急な変更メールを見たとします。
その後に、楽しみにしていた友人との夕食が待っていたのに……頭の中はそれでいっぱいに。何で今になって変更が? どうして言ってくれなかったの? 何て返そう? そのメールについて、ずーっと考えます。そして、食事中にどうしても返したくなって、返信してしまうかもしれません。そうしたら、その返信についてのレスポンスも気になるでしょう。
ここで大事なのは、気にすることを選んでいるのは自分、ということです。
選択しているのです。
美味しい食事、楽しい時間を壊したのはお仕事相手ではありません。その時間を全て無視して、もやもやすることを選んだのです。
10%気持ちが食事に行き、90%がもやもやした考えにいく、ということはなくて、選択して100%もやもやしている、ということ。決してそれが悪いわけではありません、選択はもちろん自由。でも、もしそういうシチュエーションからもう離れたいのならば、自分で選ぶのです。
■ただ、シンプルに。目の前のことに集中する
ではどうしたらいいか。それが「心を目の前に置く」ことです。
選ぶ、という行動は、無意識にしてしまうことも多いですよね。メールを見た後に、ずーっと、そのことを考えるのは無意識にしてしまうこと。なので、意識的に、心を目の前に置くのです。
(あ、またメールのことを考えてる、今の会話に集中しよう。)(もう、明日の朝に返信するって決めた。)
そうやって、今目の前に集中できるように、選択を切り替えます。もちろん、数十分以内に解決した方が良いようなことならば、食事の前に電話をするなど対応をしますが、大体むっとしてしまうようなときは、むっとすることを「選択」しているので、離れた方がいいですね。すぐに返信しなくちゃいけない、という思い込みのときも多いです。
そして楽しい時間に心を置けば、もやもや、落ち込みは薄れるどころかぐっと方向転換されるのです。
食事中に、問題も解決しているかもしれません。
毎回、どっちをどうやって選択すればいいの? ということを考えていると、混乱するし難しいように感じるので、シンプルに“今目の前のことに集中すること”。それが、もうひとつの選択肢です。
だから私は、ながら美容を行いません。
ドライヤーで髪の毛を乾かす、食事をする、運動をする、眠る。全て、それだけをする。
そうすると、ひとつひとつの時間に、自分の軸に戻っていける。
人は器用ですから、一度にたくさんのことをできるし、考えもあちこちにいきます。
今、ここ。に集中してみましょう。