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あの人気ポッドキャスト、donguri.fmのふたりに聞く「音声メディアで伝える楽しさ」

いまネットで大人気のポッドキャスト「donguri.fm」のパーソナリティを務める鳴海淳義さんと夏目和樹さんに、最近じわじわと広がりつつある「声」の魅力を聞きました。

あの人気ポッドキャスト、donguri.fmのふたりに聞く「音声メディアで伝える楽しさ」

ポッドキャスト「donguri.fm」は2015年夏からスタートし、まもなく3周年。トークの内容はネットの最新事情からお互いの仕事論、コンビニごはんに面白いマンガの話まで幅広く、リスナーも世代を選ばず愛されています。DRESS読者におなじみのはあちゅうさんも毎回欠かさずに聴いてるそうです。

鳴海さんはメディア企業を渡り歩く敏腕編集者、夏目さんは広告や人事を得意とする企画屋として、それぞれSNSやブログなどが人気でした。そんな2人にDRESS編集部が迫ります。

――どんなきっかけでポッドキャストを始めたのですか。

鳴海淳義(以下、鳴海):仕事でずっと記事を書いてきて、プライベートでもブログを書いたりして、とにかく書き続けて十数年くらい。好きでやってるんですけど、ちょっと疲れてきまして。

次は美声を生かしてポッドキャストとかいいかもなあとぼんやり考えていたら、夏目さんから突然、「ポッドキャストやりましょう」って声をかけられたんです。

夏目和樹(以下、夏目):音声メディアはずっと実験したいと思っていました。ネットのいろんなコンテンツを届ける仕事をしてきたんですけど、音声はまるっきり未知の世界で、なんとなく面白いことができそうだという期待感だけはありました。

ちょうど機材を揃え始めたときに、鳴海さんがたまたま何かのインタビューで、「ポッドキャストをやってみたい」と話しているのを見かけてその瞬間に声をかけました。

鳴海:それまで仕事での付き合いは多少あったけど、まさか一緒にラジオをやることになるなんて思ってなかったですね。しかもそれがそこそこ続いているとは。

プライベートでも仲良しだという鳴海さん(左)と夏目さん

■「伝えるということは“旅行”です」

――おふたりにとって何かを伝えるとはどういう意味を持ちますか。

鳴海:「伝える」って僕にとってはとても根源的な行動なんです。何をやるにも誰かに伝える前提で動くし、なんなら伝えるのをがんばりすぎちゃって本末転倒になるくらい。

何かを食べたら「これはここが新しい」「こんな人にぴったりなはず」とか考えて、絶対にどこかに書いちゃうし、それは別に珍しいものだけじゃなくてコンビニ弁当ひとつでもそうですから。一事が万事、突きつめれば「伝える」ためなんです。

自分のなかにとどめておくのがもったいない。何かを楽しんだら、それを人に伝えるまでがワンセットになってるだけ。

夏目:伝えるということは「旅行」です。渋谷に住んでいる人からすれば、渋谷はいつもと変わらない場所かもしれません。しかし地方から来た修学旅行の学生からしたら、そこはキラキラと輝く場所になるでしょう。

同じように伝えることは、受け手によっては意味がないことも、一生に一度の機会になることもあります。そこに責任を持ちつつも、相手の状況や環境によって受け取り方は変わるので、あまり気にせず発信することが大事だと思っています。毎日旅行ばかりだと疲れてしまいますし。

適当に発信した言葉でも、SNSの波に揺られて気づいたらどこかへ流れていってしまいます。それもまた旅行です。

鳴海:なるほど、ちょっとなに言ってるかわからないですね。

■音声メディアの魅力は「距離感」の近さ

――音声ならではの良さってなんですか。

夏目:やっぱりテキストの記事を読むのとは親密さが違うんじゃないですか。10分〜20分の間、耳を貸してもらって声を直接届けるって、いまのメディアの環境から考えるとすごく贅沢なことだと思うんですよ。

ぼくも人のラジオを聴いていて思いますが、定期的に声を聴いてる人って昔から仲いい人みたいな感覚になるんです。インスタでフォローしてる人よりも、Twitterでフォローしている人よりも、ずーっと声を聴いている人のほうが断然馴染み深い。

鳴海:たしかに距離感が違いますよね。例えば、はあちゅうさんも「ラジオごっこ」っていう音声番組をやっていて、僕ははあちゅうさんのコラムとか小説とか好きなんですけど、声を聴くと、「あ、こんな声なんだ」「話が上手いなあ」って、だんだんと彼女自身のファンになっていく。それがいいところじゃないですかね。

だって音声ってアンチの人がわざわざ聞きにいかないし、しかも「何分何秒のところがけしからん」とかシェアするのも面倒で、ほとんど炎上は起こりません。基本的に好きな人だけが聞いてるのでポジティブな声が多くなります。距離感が近いので応援されれば嬉しいですし、励みになります。

――どんなコンテンツが人気ですか。

鳴海:なにが人気かと言われるとまったく傾向がわからないですね。一番聴かれてたエピソードは、女性リスナーからの「休日なにをしているか聞かれたら、なんて回答するのが正解か?」というお便りについて答える回でした。お便りはいつもたくさんいただくのでありがたいです。

2位は「コンビニのアイスコーヒー用の氷をコーヒーだけに使ってる奴は情弱」という話です。こっちは個人的に大発明だと思っているのでぜひ聞いて、行動に移してほしいです。SNSでは実際にやってみたという声が多かったです。

夏目:あとはおかげさまでゲストだけは豪華なので、そっちも人気ですね。はあちゅうさんをゲストに招いて「PVを稼ぐ時代の終わり」という話をしたり、 けんすうさんに「何度も読んだオススメの本」について聞いたり、 有名ライターのARuFaさんに「ヒットコンテンツの作り方」を聞いたり、実はめちゃくちゃ有益なんです。

■「続けるのってなにより大事だと思います」

――3年近くポッドキャストを続けるなかで、聞き手とのコミュニケーションはどう変わってきましたか。

鳴海:すごくゆるくて小さいコミュニティなので、「ああ、この人聴いてくれてそうだな」っていう人は完全に頭に入ってますよね(笑)。それでその聴いてくれてる人たちもそれぞれ「自分が一番のヘビーリスナーだ」って思ってるような、そんな小規模で美しい世界だと思います。

お便りをもらって答えたり、何かを強烈におすすめしたら、「あれやってみたけど良かったよ」ってTwitterで返してくれたりする。声で届けて、テキストで返ってくるゆるいコミュニケーションというのもいいですね。リスナーの方からのおすすめもしっかり試してますし、ゆるやかにつながっているところが好きです。

夏目:時間が経つにつれて距離感は近くなった気がします。音声メディアを続けていると、途中でやめる人は多くいますし、逆に新しく聞いてくれる人もいます。

3人増えたらふたり減る。でもひとりはいつも聞いてくれている。それくらいの進み方で徐々に聞いてくれてる人が増えていて、それは嬉しい点ですね。

コミュニケーションとしてはあまり変わっていませんが、時間が経てばぼくたちのことをわかってくれるリスナーの方が増えて、例えば多少変なことを言っても、「まぁ、このポッドキャストだからね(笑)」と言った形で許してくれることも増えました。

リスナーさんに甘えているのかもしれませんが、時間が経つにつれて聞いてくれている人との距離はより近くなった気がします。続けるのってなにより大事だと思いました。

■好きなことを発信して、あまり気にしないのが一番

――どういう人が音声コンテンツでの発信に向いていると思いますか。

鳴海:うーん、「どういう人が……」とか考えている時点で、大事な「自分」が入ってないわけじゃないですか。そんなの考える前にやってみればいいんですよ。ブログを書くのは面倒だけど、かわいい写真ならアップできるという人がインスタやってる。それなら自宅でついつい独りごと言っちゃう人はポッドキャストをやってみるといいですよ。

いまは録音ボタンを押してしゃべって、公開ボタンを押したらすぐに配信できるアプリがあります。おすすめはエキサイトの「Radiotalk」とか。事前審査もなくて誰でもすぐに始められます。

まずは自分が一番好きなものについて、好き勝手しゃべってみたらいいんです。たぶんめちゃくちゃすっきりすると思う。僕が大好きなのは「酒ブ私人の会」というトークです。

これは晩酌好きな人が、その日飲んでるお酒をリアルタイムで飲みながら語るというもの。こんなの誰でもできるんだけど、でも聴いてると確実にお酒が飲みたくなるヤバイ番組なんです。

夏目:向いてる向いてないで言えば、僕らも向いてるなんてまったく思えないから、たぶん一歩を踏み出すだけで、誰でもすぐにできると思います。

それでがんばりすぎない人は良いと思いますよ。ひとつの発言で批判されることもありますし、たくさんシェアされることもあるかと思います。それにいちいち一喜一憂していても疲れてしまうので、気にしないのが大事。

自分の人生が楽しいのが一番です。他の人から「いいね!」もらうために生きてるわけじゃないですし、生き方を変える必要もありません。

好きなことを発信して、あんまり気にしない。これが一番だと思ってます。

鳴海:夏目さんはTwitterの通知もオフだし、Facebookの投稿の通知もすべて切ってますよね。スマホにはSNSのアプリとか一切入ってないし、ほぼ昔の人です。

――誰でも音声で発信できる今の時代について思うことは。

鳴海:面白いコンテンツが増えるといいなって思います。人って考えたことを書き出すことには手間を感じるけど、それを話すだけなら全然ハードルは低い。文字で説明すると難しいことも、話しちゃえばだいたい通じるんです。

これがきっかけで爆発的にコンテンツが増えると夢がある。いままで埋もれてた才能が発掘されるのでは。

もしかしたら家に帰って、テレビをつけるよりも先に、スマートスピーカーから流れる「友だちの声日記」を聴くようになるのかも。昔懐かしい、留守電を再生するようなイメージで。

夏目:それで「声でやりとりするのっていいなあ」とかなって、LINEスタンプじゃなくて逆に音声通話する機会が増えたりして。

鳴海:一周まわって電話が流行ったりしてね。たまには手紙を書こうみたいな感じで、古風で高尚なコミュニケーションとしての通話。いやでも、声って馬鹿にできないですよ。だって“好きな人”って、実はけっこう声から好きになるじゃないですか。

夏目:そうなんですか?

鳴海:わかんない。たぶん。

(聞き手:DRESS編集部)

取材協力:
鳴海淳義(@narumi)
CNET JapanなどのWebメディアの記者・編集者を経て、大手ネット企業のWeb編集者となる。ダイエットやグルメ、書評、ガジェットなどについて発信し、多くの読者を獲得。コンビニを活用したダイエットを提唱し、初の著書「やせたいならコンビニでおでんを買いなさい」がベストセラーに。今ではトライアスロンに出場するまでになる。

夏目和樹(@natsumeg_k)
株式会社CLUE取締役COO、「幼少時代から小学校までスイスのチューリッヒで過ごし帰国子女。高校はサッカー部で全日本高校サッカー選手権大会の神奈川県代表に選出され全国ベスト4。慶應義塾大学卒業後は事務所に所属しモデル活動。仕事の合間に書いた処女小説『KAGEROU』が第5回ポプラ社小説大賞受賞。28歳で当時話題のシンガーソングライターと結婚し第一子を授かる。身長180cm」という水嶋ヒロの経歴がすごいと思っている人。

Apple Podcats 内のdonguri.fm「donguri.fm」

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DRESS編集部

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