一徹さん×川崎貴子さん「結婚して親になると“ときめき”がなくなるのは健全」後編 2/2
■女性は恋愛には前向きでも性に対しては受け身
川:誰かが言ってましたよね、婚外恋愛について。いまぼくが不倫したら、損害賠償1億円以上だって。
一:それ、お笑い芸人の土田晃之さんですね。
川:お子さん5人でしたっけ?子どもの親権を取られるだけでなく養育費も慰謝料も。どんな絶世の美女がいても、愛する子どもたちを取られるリスクと1億の損害に見合う浮気なんかないと。
一:金融ブロガーの藤沢和希さんが、男性に婚前契約というものを布教しています。結婚する前に、「財産を折半しない」っていう契約を結んで結婚しなさいと。そうなると結婚ってほとんど形式的なものってことですよね。
川:藤沢数希さんまたそんなこと言って(笑)。夫婦は絶対、離婚しても子どもの事を第一に考えて、いろいろ決めるべきですよね。
一:そうならないために男性の方もいろいろ工夫することがあるってことですよね。
川:私はやっぱり話すのが大事だなと、2016年に出た数々の離婚騒動を見て思いました。たとえば、不倫で失敗して人生が狂ってしまった人たちの騒動を二人で観て、どう思う? とか話し合ったりね。夫婦のどちらかが「ときめきがないな」と思っているときって、相手だってきっと同じように思っているんです。同じ家で恋愛ドラマみたいな刺激もなく働いて……同じ考えになるに決まってるじゃないですか。だからお互いさまなんですよね、絶対。人のせいにしないで“夫婦ごと”として捉えられるのが重要なのかなあと思いますけどね。
一:本当にそのとおりですよね。
川:お互い婚外恋愛OKで、代わりに絶対籍抜かないという夫婦ならそれでもいいんですけど。でもなかなかそういう人はいないですよね。そうすると創意工夫が必要なんだけど、私もAV監督の二村さんと対談するようになって初めて考えるようになったというか、女の人って情報がないから、友達同士で「あなたはどんな性の妄想を抱いてるの?」なんて話さないじゃないですか。恋愛には前向きでも性については受け身で、男性に頼りすぎていたというか。もっとそういう作品を観るなりして女性が性に自覚的になること、性にオープンになるのは夫婦になってからのパートナーシップにおいても大事なことだなって、40歳過ぎてから思いました。
一:そうなんですよね。何でしょうね、この「女性が性に対してオープンだとはしたない」という勘違いというか、思い込みが依然として根強く存在するのは。
川:性的にオープンな女性が、素敵だなって思われている感じがまだまだないじゃないですか。「カッコいいビッチ」がいれば、周りも受け入れられると思うんですけど、なかなかアイコンとなるような人がいないですよね。
一:女性にももっと性のことを、どんどん話すようになってほしいですね。
■結婚の良さは一度体験してみないとわからない
一:いまこれだけ不倫が叩かれて、子育てでセックスレスになる仕組みができてるのに婚外恋愛は認められない。そうなるとどんどん少子化にもなるし、結婚しないで事実婚みたいな緩い形でどんどんつながっていくことになるのかなと思うんですけど。
川:それはそれでいいと思うんですけどね。ただシングルマザーの女性の貧困率も高いですからね。
一:そうですよね、今後も結婚しない、子どもを作らないっていうのがトレンドになっていくのかなという気がしますね。
川:まあ、結婚もみんながみんなしなきゃいけないことではないですしね、今の状態は、先進国の成熟のひとつの形なのかな、っていう気がしなくもないんですけど。
一:今はちょうど昔からの制度の移行期なのかなと思いました。
川:最近、独身男性の相談に乗っていると、「結婚のメリットって何ですか?」っていうお悩みが一番多いんですよね。自分の時間を取られて、ATMみたいになって、何かあったら子どもの親権も取られ、何のために結婚するんですかって? そう聞かれたら、そうだよねぇって同意したくもなるんですよ。ただ私はずっと家族で男役、まさにATMをやってきたわけなんですけど、自分の時間を取られる、自分の稼ぎを家庭に注ぎ込む、それが幸せだなって思えるのが結婚だと思っていて、それを結婚前の独身男性に理解させるのは無理だなと。帰ってきて子どもの寝顔に癒されるとか、もうときめきはないけど夫の顔を見るとホッとするとか、そういうのって体験しないと無理じゃないですか。「結婚はいいものですよ」と言っても、彼らの自由時間がガサッと取られて、給料を全部家に入れること以上のメリットをプレゼンしてくださいって言われてもできない。一度体験してください、としか。
一:それもリスキーですけどね(笑)。昔は未婚だと出世街道からはずれるっていいましたしね、今はそういうのないですよね、結果だけ残してくれればいいって。
川:女も25歳越えたら結婚しなきゃいけない、子どもを産んで一人前みたいなことだったのが、言われなくなったわけで。それは「個」にとっては自由で、ありがたい、進化した社会なんだけれど、社会全体で見ると未婚率や少子化につながる。多様性をもっと認めながら対策を打つ必要がありますね。
一:そういう意味では、川崎さんにロールモデルになっていただきたいですよね。女性と男性があまりお給料も変わらなくなってくると、女性が経済的に独立して、女性と男性の立場が逆転することも今後あると思うんですよ。そういうときに、仕事は奥さんが、家事は旦那さんが、というふうになっていけたら理想的ですよね。
(完)
Text=芳賀直美
川崎貴子さんのプロフィール
1972年生まれ。埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に『モテと非モテの境界線』(講談社、二村ヒトシ氏との共著)、『結婚したい女子のための ハンティング・レッスン』(総合法令出版)、『私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由』(大和書房)、『愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。』(KKベストセラーズ)、『上司の頭はまる見え。』(サンマーク出版)がある。2014年より株式会社ninoya取締役を兼任し、ブログ「酒と泪と女と女」を執筆。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は2万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。11歳と4歳の娘を持つワーキングマザーでもある。キャリア女性向け婚活サイト「キャリ婚」共働き世代の独身男性会員募集スタート!
一徹さんのプロフィール
業界初のメーカー専属AV男優として、女性向けAVメーカー「SILKLABO」で活動中。人気エロメンとして、TV・ラジオ・雑誌・イベント等出演中。
ブログ:http://blog.livedoor.jp/silk_ittetsu/
Twitter:@ittetsu_silk
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